一物四価?五価?

皆さん、こんにちは。

不動産鑑定士の池田孝(いけだたかし)です。

 

最近、ジャスミン茶にはまっています。コンビニでPBのペットボトルのジャスミン茶は100円、自販機で買うジャスミン茶は140円でしたっけ(駅の販売機はスイカで買うので金額を覚えていません)。普通、モノの値段は定価が一つで、販売店で高い、安いがあってもいつか平準化されていくのが一般的です。

不動産(土地)はどうでしょうか?土地には他のモノと異なる大きな特性があります。

それは「個別性」です。同じモノが二つないのが大きな特徴であります。

また、公的機関によっていくつもの価格が設定されていることも特徴であります。

 

その結果、不動産の価格は俗に「一物四価」等と言われ、わかりにくいものとして捉えられています。確かに私も今の仕事をしていないとき(銀行員時代)はそんなに詳しく知りませんでした。せいぜい、地価公示、地価調査、路線価というものがあるということ位しか知りませんでした。

 

ところで、ここで質問です。私の自宅の近くのあるお宅の土地には公的機関がつけた次の3つの価格があります。それぞれ、何の価格か分かりますか?

①145,000円/㎡

②115,000円/㎡

③95,900円/㎡

 

 

 

答えは、①地価公示価格 ②相続税路線価 ③固定資産税路線価 でした。

 

それぞれの価格について簡単に見ていきましょう。

 

①地価公示価格(今回は地価公示でしたが、下記の通り同じ目的で地価調査価格もあります)

「地価公示価格、地価調査価格」です。これは、国民が不動産取引の際に指標となる数値を示す目的で国や都道府県がそれぞれ年に1回(地価公示は毎年1月1日時点、地価調査は毎年7月1日時点)その規準となる地点の時価を示すものとされています。

 

②相続税路線価

「相続税路線価」は相続財産の算定等に用いられるもので、道路に価格が付されていることから、路線価と呼ばれています。この路線価の水準は概ね「地価公示価格・地価調査価格」の約80%と言われています。

 

③固定資産税路線価

「固定資産税路線価」は固定資産税の評価の際に用いられるもので、こちらも道路に価格が付されており、一定の計算方法により、皆さんが不動産を保有することにより毎年課税される固定資産税の算出の基礎となります。この路線価の水準は概ね「地価公示価格・地価調査価格」の約70%と言われています。

 

④不動産鑑定士による時価(適正価格)

不動産の価格を判定する専門家として国家資格を与えられた不動産鑑定士による鑑定評価額(適正価格、時価)であり、不動産鑑定士が評価対象不動産の種別・類型に応じた適切な評価手法を適用して決定した鑑定評価額であり、原則として正常価格(経済合理性を有する市場参加者によって取引される価格)とされています。しっかりとした理論的な裏付けを持った価格です。

 

この他にも、不動産業者さんが売却希望者に示す売り希望価格もあります。売り希望価格はほかの価格と異なり、売主さんの希望価格ですから、本来の適正価格よりも高い水準です。

それぞれの価格の意味を知ってご自身が活用する際の参考になさってください。

 

 

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池田不動産鑑定株式会社
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