空家の現状把握(空家問題 その①)

みなさん、こんにちは。

不動産鑑定士の池田孝(いけだたかし)です。

 

当社では不動産鑑定の他、売主様専門の不動産仲介業も営んでおります。最近、売却のご依頼で多いのが相続した土地や土地建物の処分のご依頼です。相続人がすでに自宅を保有し、相続で取得した親の自宅を売却しようとご相談にいらっしゃいます。

当社は、基本的にご紹介のお客様を中心に対応させて頂いておりますので、相談に来て頂いたお客様全ての案件に前向きに対応させて頂いております(ご紹介者様との信頼関係がございますので)。最近では、売買金額によっては物件の売却依頼をお断りする業者さんや、広告宣伝費等として仲介業務の法定額を超える手数料を受領される不動産業者さんもいらっしゃるようです。不動産仲介業である以上仕方ない部分ではありますが、ほぼ同じ業務をしているにも関わらず500万円の売買手数料と5,000万円の売買手数料では、21万円と156万円(実に7.4倍)になりますから、上記の不動産業者さんの気持ちは分かりますが、当社は仲介業務の法定額を頂いてお仕事をさせて頂いております。

 

このように、最近では、相続で取得した親の自宅の売却、つまり空家の売却依頼特に多くなっています。

そこで、今トピックでもある空家問題について、自分の勉強のつもりで調べたりしたことや、意見を述べていきたいと思います。

 

まず、空家の現状把握からです。

国土交通省住宅局が5年に1度発表している調査があります。直近では平成26年になります。その調査が「平成26年 空家実態調査 集計結果」になります。この集計結果によると、

【空家の建築時期】

昭和45年以前(築約50年以上)が全体の42.1%

昭和46年~昭和55年(築約40年以上)が全体の25.2%

この当時の住宅を考えると多くは木造建築物ですから、適切なメンテナンスを施していなければ住める状況ではない建物が全体の67.3%となります。

【空家を取得した経緯】

新築、中古を購入したが40.2%

相続、無償譲渡が54.4%

【空家になった理由】

別の住宅へ転居したが27.9%

老人ホーム等の施設入居、転勤、入院などにより長期不在が18.7%

死亡したが35.2%

【空家になってからの経過年数】

1年未満が3.3%

1年以上3年未満が17.3%

3年以上5年未満が15.7%

5年以上10年未満が22.9%

なんと、10年以上が31.1%

【管理者の有無】

有りが89.0%

無しが4.0%

【管理者有りの場合の管理頻度】

ほぼ毎日が14.4%

週に1~数回が20.0%

月に1~数回が34.3%

年に1~数回が23.1%

数年に1回が0.7%

なお、管理の内容については、「外回りの清掃、草取り、剪定など」が75.1%と最も多く、次いで「戸締まりの確認」が69.7%、「住宅の通風・換気」が62.6%などとなっている。

また、年間の維持管理に要する費用については、「5万円~10万円未満」が15.2%、「10万円~20万円」が14.7%、「1万円~3万円未満」が14.1%などとなっている。

さらに、管理面での心配事については、「住宅の腐朽・破損の進行」が51.5%と最も多く、次いで「樹木・雑草の繁茂」が39.2%、「不審者の侵入や放火」が34.2%などとなっている。

 

上記は調査結果をランダムに記入させてもらいました。

それにしても、空家問題は深刻ですね。築40年以上経過している建物が全体の約7割近くになっています。また、空家になってからの経過年数も5年以上経過している物件が半数を超えています。いくらしっかりと管理していても人が居住している物件とそうではない物件では建物の傷み具合が変わりますからね。

でも、意外なことに、管理はマメになさっている方が多いようですね。3軒に1軒がほぼ毎日、または週に数回管理をされているとのことでした。でもそれだけ、残された方にはご負担になっているのかもしれません。

 

次回も空家について集計結果をもとに少し考えていきたいと思います。

 

 

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