都市計画道路予定地の評価(その1)

みなさん、こんにちは。

不動産鑑定士の池田孝(いけだたかし)です。

 

今日は都市計画道路の評価についてお話します。

 

都市計画道路とは、「都市計画決定がなされた道路」のことをいうのですが、都市計画法に規定されている都市計画施設のひとつです。そして、この都市計画施設の予定地内で建築物の建築を行おうとする場合には都市計画法の規制を受けることになります。

したがって、都市計画道路に該当するか否かは土地の利用に直接影響を与えますから、土地の価格にも影響を与えます。つまり、鑑定評価を行うに当たっても重要なポイントになります。

都市計画道路の具体的な例示として は既存道路幅員が広がる場合や、道路を新 設する場合等があげられます。

 

では、どのように調べたら良いのでしょうか?

売買契約により購入した不動産であれば、契約前に受領した重要事項説明書に記載され ています。また、市町村の役所に備付の都市計画図(現在では、各市町村のHPから閲 覧できるところが増えてきています)に記載されています。もちろん役所の都市計画課 等の担当課に問い合わせるのも有効な手段です。

ちなみに、私の自宅の南側は都市計画道路予定地になっています(接してはいませんが)。でも、この都市計画道路予定地は実際には道路になることはなさそうです(いくつかの事実に裏付けされた勘ですが)。

というのは、各市町村や県、国には予算があります。そして、これらの予算は道路を作 るためにだけ使われるのではありません。したがって、優先順位の高い道路から整備さ れます(予算が潤沢にあり、全部の都市計画道路を整備する役所がゼロとは断言できな いので)。以前、市役所の担当者に伺うと私の自宅前の都市計画道路は優先順位が低いことがわかりました。

 

皆さんも、自宅が所在する市町村等で簡単に調べることができます。

その場合には、都市計画課等の都市計画を担当している課にこう問い合わせてみましょう。

「◯◯◯ ◯丁目◯番◯◯ の場所は、現在都市計画道路予定地になっていますか?」

なっている場合、「 計画決定の段階ですか?それとも事業決定の段階ですか?」

「役所:そこなら、計画決定段階です。」との回答があれば、優先順位は比較的低めと いえます。計画決定だけをして、そのまま放置(事業予算の関係や様々な事情はあるの でしょうが)されている都市計画道路は多く見受けられます。一方で、ゾンビのように 復活する都市計画道路もあるので一概に整備されないとは言えないところに留意が必要 です。

逆に「役所:そこは、事業認可されています。」と回答があれば、優先順位は高めとい うか、基本的には都市計画道路が整備されるエリアです。

その場合には「事業実施の予定時期はいつですか? 工事完了・供用開始の予定時期は いつですか? 予定図面を見せて下さい。」と立て続けに質問しましょう。そうすれば、 今後どのようになるかイメージが付きます。

ここで留意していただきたいのは、都市計画道路予定地に該当すると計画決定、事業認可のいずれの段階であっても、土地利用等に制限がかかります。もちろん、みなさんの ご推測通り事業認可の段階のほうが厳しい制限がかかります。

制限の内容と評価における留意点については、次回の担当ブログでアップします。

 

 

 

 

 

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