みなさん、こんにちは。
不動産鑑定士の池田孝(いけだたかし)です。
今日は本業と離れ、最近読んだ本のご紹介をします。
今回も新しい本ではなく、自宅の本棚に眠っている本の発掘です。
「上に立つ者の心得 『貞観政要』に学ぶ」 谷沢永一・渡部昇一 著
四書五経と言われても何だったっけのレベルの私が『貞観政要』など知っているはずがなく、初めての時はただ読んだだけだったようです。書き込みはなく、一部ページに赤ペンで囲みがあっただけでした。
読了が2010年1月25日(付箋がついていました)だったようなので、8年前、私が37歳の時でした。その頃はまだ会社員ですから、「上に立つ者の心得」等という書籍をなぜ読む気になったのでしょうか。不思議です。多分、当時定期購読していた「致知」に書籍紹介等があり、衝動買いしたのでしょう。
今回改めて読んでみて、トップの心得、「創業と守成」、歴史を振り返ることで学べることが多くあることがわかりました。
小さな会社ですが、私は創業者であり、「創業」を受け持っています。経営者仲間には2代目や3代目が多くいます。開業当初は彼らのことを羨ましいなぁ、と思う気持ちもありました。何といっても、会社の基盤があり失礼な言い方かもしれませんが、仮に何もしなくてもすぐに食べていくに困ることはない。そんな状態が羨ましいと思ったこともありました。
でも、今では2代目、3代目の経営者の大変さを感じることの方が大きくなり、自分は創業者で良かったと思っています。仮に私が2代目や3代目だったら、会社が継続できる保証はないと思うくらいです。
創業者は少なくとも自分の意志で始めています。だから、スタートから自己責任の意識が強くあります。それに比べると2代目や3代目はもちろん中には家業や事業を引き継ぐ覚悟を決めている方もいらっしゃいますが、他責にしやすい状況ではあると思います。その中から自責に心を変化させるのは凄い努力がいるのであろうと感じています。自分に甘い私では非常に難しいだろうなと思います。
また、他に本書で特に印象に残っているのが、日常から節制に努めるトップが、ほんの少しのご褒美を自身に与えようとしたときの臣下とのやり取りでした。
「贅沢に過ぎることを始めるのは、危険と滅亡の第一歩であります。漆器で止めなければ、必ず金で器を作りましょう。金の器で止めなければ、必ず玉で器と作ることになりましょう。ですから諫臣は、必ずその第一歩の兆しを諫めるのでございます。贅沢は極端に達してしまっては、もはや諫める余地がございません。」
この諫言を受け、自分を治めるトップ。
私自身、すなおに聴く耳をもち、自分自身を治める強い意志を持つリーダーになりたいと思っています。書籍にもありましたが、自分における諫臣は家内なのでしょう。家内からの厳しい言葉を素直に受け入れ、自分を治めることができるようになったとき、本当の意味のトップになるのだと改めて認識しました。
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